1 遺産分割協議は相続人全員の合意が必要
遺産分割協議は、相続人全員が参加したものでなければ有効とはなりません。したがって、相続人の中に遠方に住む者や外国に住むものがいても、彼らの同意が必要となります。もっとも、全員が一堂に会する必要はなく、個別に協議を行い、協議書を持ち回りで作成することも可能です。
2 相続人が外国にいる場合
相続人が外国にいるため協議の場に来れない場合には、手紙や電話、電子メールなどによって協議を尽くし、協議が合意に至った時点で遺産分割協議書を作成、郵送し、署名をしてもらえば足ります。
3 印鑑証明書の代わりとなる署名署名(サイン証明)
不動産の名義変更(所有権移転登記)をする場合等、遺産分割協議書に相続人全員が実印を押したうえで、印鑑証明書の添付が必要になることがあります。印鑑証明書の交付を受けるには、住民登録がある市区町村に印鑑登録をしている必要があります。そのため、海外に在住していて日本に住民登録が無いときには、日本で印鑑証明書を取得することができません。
この場合、日本の印鑑証明書に代わるものとして、署名証明(サイン証明)が利用されます。署名証明は、在外公館が発行するもので、申請者の署名及び拇印が領事の面前でなされたことを証明するものです。