当事者に関する紛争がある場合
遺産分割協議には相続人全員の同意が必要となります。それだけに、相続人の特定は遺産分割の前提として非常に重要となります。しかし、遺産分割協議に当たり、養子縁組等の有効性、嫡出否認、認知関係、親子関係の不存在といった身分関係の問題や、相続人の廃除、相続欠格事由等を前提とする相続権の問題など、当事者に関する紛争(前提問題)が生ずることがあります。
こういった前提問題を解決することなく、遺産分割協議を進めても、後に相続人でないことが人事訴訟手続で確定した場合、最初から遺産分割協議をやり直すことになります。
ですから、このような場合には、いったん遺産分割事件の申立てを取り下げるなどして、家事審判、人事訴訟等により当事者に関する紛争を解決し、改めて遺産分割事件の申立てをすべきでしょう。