遺言が残っていない場合は共同相続人間の協議によって遺産分割を行います。遺言が残されている場合であっても、共同相続人間の合意によって、遺言の内容とはことなる遺産分割をすることができます。
1 遺産分割協議の当事者
遺産分割は、共同相続人全員の協議によって行われます。当事者とすべき者の一部を欠いていたり、当事者とすべきでない者が入っていても、遺産分割協議は無効となります。
2 遺産分割協議の時期
遺産分割協議はいつまでにしなければならないという法的期間制限はありません。ただし、放っておくと、2次相続が起きるなど権利関係が不安定になりますので、早いうちに行うにこしたことはありません。
なお、相続税については、相続があったことを知った日の翌日から10か月以内に申告することになっています。この申告期間内に遺産分割協議が整わない場合には、法定相続分に従って相続税の申告をし、遺産分割協議が成立した後に修正申告ないし更生の請求をすることになります。
3 遺産分割の方法
遺産分割の方法に関しては、共同相続人間の合意がある限り、自由に決めることができますが、一般的に考慮される事由としては、以下のようなものが挙げられます。
①各相続人の法定相続分 |
②被相続人の意思 |
③各相続人の年齢、職業、心身の状況、生活状況 |
④(不動産の場合)使用状況 |
4 遺産分割協議書の作成
共同相続人全員の間で協議が成立した場合には、合意内容を明らかにして後日の紛争を回避するために、遺産分割協議書を作成します。
5 遺産分割調停の申立て
共同相続人間で協議が整わないとき、または協議をすることができないとき、各相続人はその分割を求めて家庭裁判所に申立をすることができます。